私たちが暮らしている地球には、多種多様の生物が共存し様々な文化があります。その地球という惑星の中でも日本の国土はたったの0.28%しかないそうですが、訪日外国人は激増しているようです。訪日後の観光地ランキング、又は訪日理由の上位を独占しているのが「古き良き日本」を見て感じたいからだそうです。日本は国土の狭い為か、昔から小さい土地(庭)の中に宇宙を造りだすことに没頭してきました。その成果の一つが日本庭園であり、日本人の植物との関わり方ではないかと思います。日本人の植物との関わり方は、日本が世界に誇れる文化の一つではないかと私は自負しております。日本人は古くから「八百万の神が宿る。」と、木々を敬愛し、薬草にし、心のよりどころにして植物と共に生きてきました。中でも江戸時代の日本人の花好きには当時日本を訪れた外国人は目を丸くして驚いたそうです。花を敬愛し、植物を愛する。そんな素晴らしい文化を継承している職業の一つが、我々植木屋です。その植木屋という職業にしかできない仕事が造景です。造景とは書いて字のごとく「景色を造る」こと。樹木を切るにしても、ただ切るだけではなく、樹木を生かす切り方。景色を造る切り方。石を据えるにしても、積むにしても、植物を植えるにしても我々がしている事は景色を造ることなのです。そのことを意識しながら仕事をしていると、こんなに面白い仕事は他にはないのではないかと良く思います。温暖化が危惧されている現代、人はコンクリートから緑化へとシフトチェンジしつつあります。屋上緑化に壁面緑化や室内緑化。広いお庭に小さなお庭。屋内外問わず空間さえあれば、そこに植物を用いて緑のある生活を提供する。植物の可能性を広げ空間をデザインする。庭道楽はそんなことを意識しながら仕事に精進してまいります。庭の道を楽しむ。仕事に精進しつつ庭道を楽しんで追及していきますのでその精神と技術をどうぞご堪能くださいませ。
兵庫県出身
草月流 福岡支部 運営委員
古儀茶道 藪内流
福岡の庭をもっとたのしく
もっとおもしろくするために活動中。
その他、生け花や茶道などの
取り組みも行っています。